炭水化物抜きダイエット(糖質制限)の科学的根拠は存在するのでしょうか?

色々な本を読んで調べてみましたが、減量方法としても、血糖値の改善方法としても、カロリー制限食との比較試験の結果、糖質制限食が優れているとの科学的根拠が存在しました。

ここ10年で激変した栄養学とは!

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(参考文献)

科学的根拠・エビデンスレベルって何?

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医療において治療法の効果を示す科学的根拠をエビデンスといいます。エビデンスはレベル的に8つに分類されます。

エビデンスレベル

  • (高いエビデンスレベル)
  • 1a:ランダム化(無作為)比較試験のメタ解析
  • 1b:少なくとも一つのランダム化比較試験(RCT)
  • 2a:ランダム割付を伴わない同時コントロールを伴うコホート研究
  • 2b:ランダム割付を伴わない過去のコントロールを伴うコホート研究
  • 3 :症例対象研究
  • 4 :処置前後の比較など、前後比較や対照群を伴わない研究
  • 5 :症例報告
  • 6 :専門家個人の意見、専門家委員会報告
  • (低いエビデンスレベル)

一番高いエビデンスレベルは、無作為比較試験で、エビデンスレベルは1です。一番低いエビデンスレベルは、専門家個人の意見や専門家委員会での報告(エビデンスレベル6)となります。

エビデンスレベルが高い程、証拠となる裏付けや根拠がしっかりしていて、対象となる治療法の信頼度が高くなります。

(参照 「エビデンスレベル」って何?

低いエビデンスレベルは高いエビデンスレベルへの反論の根拠とならない

糖質制限が良いか悪いかに関しては、賛成派・反対派にそれぞれの意見や主張がありますが、あくまでも科学的に考えるなら、根拠となるエビデンスのレベルで比較するべきでしょう。

高い科学的根拠(エビデンスレベル)に対して、低い科学的根拠で反論するのは、非科学的な意見となってしまいます。

糖質制限にはエビデンスレベル1と2の研究報告が存在する

糖質制限のエビデンスレベル

山田悟先生の糖質制限の真実より、糖質制限のエビデンスレベル1の試験内容を引用します。

エビデンスレベル1

減量方法として糖質制限を比較

300人を3つのグループに振り分けて減量法を比較したところ、糖質制限(摂取量120グラム以下/1日)のグループ3が一番大きな減量効果があった。

  • グループ1(カロリーと油制限)・油を控えてカロリーも控える
  • グループ2(カロリー制限)・油は食べてカロリーを控える
  • グループ3(糖質制限)・カロリーは気にせず糖質だけ控える

減量効果ならびに、血液中の中性脂肪低下、善玉コレステロールの上昇、HbA1cの数値改善。これら全てでグループ3・糖質制限が一番大きく改善した。

(2008年イスラエルの医師グループの試験結果報告)

血糖値改善方法として糖質制限とカロリー制限を比較

2型糖尿病患者24人を、糖質制限(摂取量70〜130グラム/1日)とカロリー制限に半分ずつ振り分けて試験したところ、半年後に糖質制限グループ群でのみ、血糖値(HbA1cの数値に関して)と中性脂肪値が改善した。

糖質制限を行っても、腎機能の悪化や脂質異常は認められなかった。

(2014年北里大学糖尿病研究センター・山田悟先生らの試験結果)

糖質制限はエビデンスレベル1のデータが複数あるが、カロリー制限に関してのエビデンスレベル1は存在しない。

又、2014年と2015年に、エビデンスレベル2の観察研究で、日本人は糖質摂取の少ない人のほうが糖尿病の発症が少なく、死亡率が低いというデータが揃った。という事ですから、わたしも安心して糖質制限を続けようと考えています。

糖質制限って実体験すると効果に驚きますよね

反対派の意見

能登論文

長期的な糖質制限ダイエットは死亡率が高まり危険。

糖質制限の桐山秀樹氏が死亡したから危険

おやじダイエット部などの著作で有名な作家の桐山秀樹氏が心不全で亡くなったので、糖質制限は危険。

長期的なエビデンスが不足している

糖質制限は、「長期的な食事療法としての安全性に関するエビデンスが不足している」「高ケトン状態が危険である」/日本糖尿病学会

科学的な反論

京都の高雄病院・江部医師によると、

  1. 能登論文の比較対象者は、中糖質群(糖質30~40%)と高糖質群(糖質60~70%)の比較研究なので、糖質制限との比較には当たらない。『糖質制限は 糖質12%〜26%なので』
  2. 桐山秀樹さんと長年パートナーで過ごした、文芸評論家の吉村祐美さんのインタビュー記事によると、桐山氏は、ここ4〜5年程は糖質制限を止めていた。

(参考)朝日新聞記事、「糖質制限ダイエット、長期は危険?」に反論
(参考)桐山秀樹さんは、糖質制限食ではなかった。

宗田哲男先生のケトン体が人類を救うによると、

長期的なエビデンスが不足しているのは、カロリー制限も同様。又、高ケトン体状態は自身や妊婦・胎児の数値検査を複数実施しているが、高ケトン状態での危険は無し(詳しくは著作で)

(6月9日・追記)

反論として以下のメッセージをいただきました。

『能登先生の論文(エビデンスレベル1)に対する科学的反論として一個人の意見(エビデンスレベル6)が書いてあるのは記事内容と矛盾してませんか?』

能登論文はエビデンスレベル3?

能登論文は、メタ解析とはいえ、492のコホート研究の中から、9つの玉石混合な論文を選んでいるので、信頼度が落ちているという意見があります。

能登氏自身が認めているように

能登論文そのものが、エビデンスレベル3に過ぎません。

さらに能登氏自身が

「ただし、今回の解析はさまざまな理由で炭水化物摂取量が低かった人達の観察研究の結果であり、管理された低炭水化物食による介入研究の結果ではないため、確固たる結論を出すことはできない」

と述べている。 能登論文の問題点・江部医師

江部医師の著作では、『栄養分析が登録時の1992年1回のみ。質問事項で糖質量など各栄養素の算出方法が不明確。etc etc』さらに6つの問題点が指摘されています。詳しくは、人類最強の「糖質制限」論 ケトン体を味方にして痩せる、健康になる (SB新書)
をご覧下さい。

ここ10年で激変した栄養学

2014年5月・日本糖尿病学会での、山田悟先生の発言

  • 「糖質制限は百利あって一害なし」
  • 「安全性のエビデンスを積み重ねる必要があるが、現時点で糖質制限食をやってはいけないという方が危険」

エビデンスレベルという概念すら、1991年に提唱された概念ですから、医学や栄養学は急激に進歩しています。宗田先生も著作の中で、今の世の中での糖質制限の扱いは、昔の脚気問題を彷彿とさせるとしています。

脚気問題

乏しい副食物で精白された白米をたくさん食べると発症する脚気は、栄養学の概念が無かった江戸時代から大正初期まで多くの日本人を苦しめた病気です。

脚気の原因はビタミンB1の不足から起きますが、当時はビタミンがまだ発見されていませんでした。

海軍軍医・高木兼寛は、摂取する栄養に原因があると考え、兵隊の食事を麦入りご飯などに改善して、脚気の撲滅に成功しましたが、脚気細菌説をとる陸軍軍医・石黒忠悳や森林太郎(後の森鴎外)は白米中心の食事を止めず、陸軍では日清日露戦争時に莫大な数の兵隊が脚気にかかり、多くの人が亡くなりました。

海軍軍医・高木兼寛はエビデンスレベル1クラスの比較実験も行っていましたが、陸軍には無視され、寂しい晩年を送りました。(吉村昭/白い航跡より。名作です♪)

脚気の話は、なんだか現代にもあてはまりそうですね〜

進化する栄養学

ほんの10年ほど前までは、脂肪や卵の摂り過ぎはコレステロール値の上昇につながるのでダメと言われてましたが、現在は否定されています。

否定されたのは高いエビデンスレベルの試験研究結果が登場してきたからです。糖質制限も何年か後には、正式に認められる食事方法になるかもしれませんね。

ダイエットとしての効果

最初に上げた先生の著作を読めばわかりますが、ダイエット方法として、万人が痩せるとはどこにも書いていません。

BMIが低い人はダイエット的な効果は少ないでしょう(そもそもBMIが低くて痩せてる人がダイエットするとは思いませんが・・・)

メタボの人は多くのメリットが

わたしのように、BMI25オーバーのメタボ体質の方ならチャレンジする価値は十分にあるのではないでしょうか。

  • 体重の減少
  • 中性脂肪などの体脂肪の減少
  • 血糖値の減少
  • γ-GTPの数値低下、脂肪肝の改善

これらの効果を実感出来ました。

糖質制限のいいところは、ひもじい空腹感がないところですね。続けやすくてリバウンドしにくいと思っています。

糖質の摂取量

わたしの場合、おおざっぱな計算しかしていませんが、山田悟先生が提唱する、ロカボ的糖質量である、130g/一日前後を摂っています。

緩めな糖質制限です。ムリが少ないのでストレスもありません。

血糖降下剤の服用やインスリン注射をされてる方、膵炎、肝硬変の方は、糖質制限を実践する前にお医者さんに相談を!

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